夢の皮膚再生へ!幹細胞とエクソソームが拓く未来の創傷治療

MSCエクソソーム

難治性の傷や重度の火傷の治療は、現代医療における大きな課題です。本論文は、組織工学の分野で注目される「間葉系幹細胞(MSCs)」と、そこから分泌される「エクソソーム」の皮膚再生への応用可能性を概説しています。

MSCsは、傷ついた組織の修復を促す多機能な細胞ですが、近年、その治療効果の多くは、細胞本体ではなく、細胞外小胞であるエクソソームが担っていることが明らかになってきました。エクソソームは、核酸やタンパク質といった再生に必要な分子を標的細胞へ効率的に送り届け、細胞増殖や血管新生を促進します。これにより、創傷治癒を加速し、瘢痕(傷跡)の形成を最小限に抑えることが期待されています。

MSCsやエクソソームに基づく治療法は、従来の治療では難しかった重度の創傷に対する革新的なアプローチとなるでしょう。治癒期間の短縮と機能的な皮膚再生の実現に向け、臨床応用への研究が進められています。

【論文情報】
ジャーナル: Tissue Cell (2026)
DOI: 10.1016/j.tice.2025.103201

タイトルとURLをコピーしました